2024年3月8日(金)のドル円相場をプライスアクショントレードの視点から解説していきます。
チャート環境は、5分足チャートに20EMA(青線)と15分足の20EMA(薄いグレー)だけを入れたシンプルなものです。それでは、行ってみましょう。
総論
- 前日(3/7)が190pips下げる大きな下落日だったため、この日は再び下げる可能性が高かった。この日は、米国時間から始まったウェッジ型のベアフラッグが継続する形でオープンし、東京時間にまもなく前日の安値を試すも(足2)、一旦戻し、欧州時間までの横ばいの調整を経て、再び下降が始まった日(足6からの下落)であった。
- 米国時間には雇用統計が控えていたため、様子見ムードなのか横ばいの時間が長かったが、基本的には比較的プライスアクションが読みやすかった日であったので、特に欧州時間からの下落は確実に取りたい日。
- ちなみにこの日は、昨日の安値から約110pipsの下落だが、これは昨日の下降レッグの起点(15:00ごろ)からの下落幅とほぼ等しく、メジャードムーブの下げであった。
東京時間のポイント
- オープン(7:00)は、前日終わりの狭いトレーディングレンジを下にブレイクする動きで開始。ほとんどの足がEMAの下にあることで、ベア優勢と見ることができる。
- 足1は売りのセットアップで本日の最高のセットアップのひとつだった。これは、EMAに向かうプルバックの終わりであり、かつ狭いトレーディングレンジに対するブレイクアウトプルバックになっている。そのため、この足の下でショートを仕掛ける。前日の安値までの間に抵抗となるポイントがないため、目標は前日安値とするのがよい。そこまでホールドするのが怖ければ、一部はスキャルピングで利食い、残りの部分は建値に逆指値を置いて利を伸ばせばよい。
- 10:00前には、前日安値を若干オーバーシュートして反転。ここまでの下げの動きは、下降スパイク&チャネルとみることもできる。
- 足2はトレンドチャネルラインをオーバーシュートした後に出現した強気の反転足であり、ここも本日の最高のセットアップである。したがって、足2の上でロングを仕掛ける。(ただし、これは下降トレンドのなかにおいてのカウンタートレンドトレードになるため、若干怖さは伴う)下降スパイク&チャネルのチャネルの起点である足1が利食い目標となるが、結局その価格水準を大きくオーバーシュートしたため、ブル派の強さが見える。
- 足3の前の足までの上昇はモメンタムが強いが、上昇トレンドチャネルラインをオーバーシュートしている。そのため、足3の小さいはらみ足の陰線の下で売ることもできるが。その前までの上昇において、陰線が1つしかないことを考えるとリスクが高い。(しかし、今日の高値を試して失敗していることも踏まえれば良い仕掛け)
- その後、足4でダブルトップの売りのセットアップが現れたため、その下でショートを仕掛ける。ただし、足が大きく、抵抗となり得るEMAまでの距離も近いため、リスクリワード比は良くはないセットアップだ。
- その後は欧州時間まで方向感に欠ける値動きが続いた。
欧州時間のポイント
- 欧州勢が入ってくる16時頃になるとレンジの高値に向けての上昇があったが、足5の水準で反転。これは、ダブルトッププルバックの売りのセットアップだ。(足3、4がダブルトップで、足5で高値を切り下げて反転しているため)この時点ではまだ下げが加速していくのか不透明なためレンジの下が一応の目標になるが、最初の損切りをそのままにして保持していたら、この日最高のトレードとなった。(建値に損切を動かせば、17時の戻しで終わっていたと思われる)
- そして、足6の下で売るのがこの日一番の、そして、誰もが目を光らせていたであろう最高のトレードとなった。足6までの間では、EMAとレンジの下限との間で圧力が溜まっていたのが見て取れる。上位足を確認する必要はないが、この下落はまぎれもなく、前日までの下降の再開であり、この日のそれまでの横ばいは水平のベアフラッグと考えることができるため、ポジションのすべてをスイングトレードとして、最低でも50レベル(いや、モメンタムからみても147.00レベル)まで利を伸ばしてほしい。
米国時間のポイント
- 米国時間には雇用統計が控えており、指標の前後はポジションをもつことはオススメしない。
- また、この日は金曜日であることも踏まえると、(日本時間~欧州時間メインの)賢いトレーダーは欧州時間でポジションをマルにしておくはず。
以上